特集シリーズ「今日も元気で」 2025年3月1日 vol.17

地域で守る子どもの安全 〜七小地域見守り会〜

緑のベストを着たボランティアの皆さんが、子どもたちの登校を見守る――市内各所で見られる朝の光景です。
 七小地域見守り会では学校、保護者、地域が垣根を越えて活動中。今日も通学路からたくさんの「おはよう」「いってらっしゃい」が聞こえてきます。

(冒頭写真)七小地域見守り会の皆さん。出勤前に時間をつくって見守りをしてくれる人や、通学路に立つ人だけでなく、自転車でパトロールをしてくれる人も

七小地域見守り会は発足11年

【上段左から】七小PTA会長 伊藤 梨花さん、下谷保町内会会長 北島 正典さん、富士見台一丁目自治会会長 北島 孝一さん【下段左から】七小地域見守り会会長 森久保 博さん、七小地域見守り会事務局長 菊田 和男さん

七小地域見守り会は、2013年に不審者情報をきっかけに発足した。当時の校長・副校長先生やPTA会長、七小地域見守り会の事務局長 菊田さんたちが自治会・町内会にも呼びかけ、数名ではじまった見守りが、現在では約67名の方が登録するまでとなった。

子どもたちの成長も見守る

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踏切付近は車や自転車の交通量も多い

毎朝約45名の方が黄色い旗を振って、子どもたちの安全を見守っているので、通学路で子どもたちだけになる時間はほとんどない。

見通しの悪い道や踏切は、とくに注意して見守っている。

入学式後の下校訓練では、学校より1週間多く下校を見守って、安全に帰れるか見届けている

甲州街道の南、坂の下で見守りをしている菊田さんは、
「だいたいどの子が何時ごろ通るか把握しています。最後の子が通ると一緒に校門まで行って、他の見守りメンバーたちに声をかけて情報共有をしたり、先生にお休みなど子どもたちの様子を伝えたりしています」と毎朝見守っているからこその変化や気づきがあるという。

長年見守りに参加しているメンバーは、自分が担当しているエリアを通る子どもたちの顔と名前をおぼえているし、子どもたちも名前をおぼえていて七小地域見守り会のメンバーに親しみを持っているようだ。

七小近くの消防署付近で見守りをする北島 孝一さん。「一時停止する標識がないので急いでいる自転車は止まらずにスレスレを通っていくので危ない」と話す

「卒業してからも声をかけてくれる子がいてうれしいですね。『お世話になりました』とか『いつもご苦労さまです』って。高校生くらいになると、大きくなって一瞬わからないこともあるけど、名前を聞くとすぐ思い出します」と北島 孝一さん。

子どもたちの笑顔と成長がやりがい。下校の見守りも増やしていきたいと話す森久保会長

森久保会長は、
「入学当初はあいさつできなかった子が大きな声で『おはようございます』と言ってくれたり、感謝の手紙をもらったり、子どもたちからたくさん元気をもらっています」と笑みを浮かべる。

クリスマスシーズンはリースの飾りをつけて

踏切に立つ北島 正典さんは、子どもたちが喜んでくれたらと、帽子に季節の飾りを付けて見守りをしている。

「来月は何にするの?」と踏切を待つ間、子どもたちとの会話のきっかけになっているそうだ。

地元のことは地元でやっていこう

「地域で何かを継続するには、自分ごととして続けていく意志を持って、引っ張っていく人が必要」

「直接会ってお願いすることが大事です。子どもたちのために協力してほしいと、さまざまな会合に顔を出してお願いしました」と菊田さん。地域で活動するには、コミュニケーションが何より大切だという。

さらに、
「日頃からコミュニケーションがないと、いざというときに意見を集めてもみんな声をあげない。顔を合わせて話せるような関係性でいることが、地域の活動には大切ですよ」と付け加えた。

危険な場所の把握や改善、メンバーの困りごとなどさまざまな声を聞くため、意見交換会も開催している。市や警察など行政に働きかけて、街灯や信号機の設置を実現してきた。

それぞれができることを

「見守り会の存在を伝えていくのが、私達の役割でもあると考えています」

登校時だけではなく放課後や休日にも、子どもたちと七小地域見守り会の方々が地域で会うことも珍しくない。

「近所や公園で、困ったときなどに声をかけてくれる存在がいることは、保護者にとっても心強いです」とPTA会長の伊藤さん。

七小ではPTA役員だけでなく、保護者全体でスクールゾーンへ車が入らないよう「馬」と呼ばれる車止めを出す活動を当番制で実施。ある場合とない場合で効果検証も行い、実際に進入禁止の違反車両を大きく減らすことができた。

七小地域見守り会の活動は七小PTAの広報誌「つみき」でも紹介されてきた

七小地域見守り会のメンバーの多くは、子育てを終えた世代。

「自分たちも子育て中は地域の方にお世話になりました。その恩返しを次の世代にしているような感覚です」そう話すのは北島正典さん。それぞれのライフステージに応じて、自分にできることを続けていきたいという。

事故や事件が起きてほしくないという想いで活動する中、顔見知りが増えていく楽しさがやりがいにつながっている。

七小地域見守り会では、いつでも新しいメンバーを募集中。
「共働き世帯や働くシニアが増えているので、自宅の前で可能な日や時間帯だけでも見守りをしてくれる人が増えてくれたら」と森久保会長は語る。

つながりのあるまちは暮らしやすいまち

通学路に途切れることなく見守りの目があることは、子どもたちの安全だけでなく、地域全体の防犯にもつながっている。

暮らす人それぞれが自分ごととして地域に関わり、個人の目が地域の目となり、暮らしを守っていく。

七小の通学路では朝の見守りから、世代を越えたつながりが育まれている。地域の良い循環が、これからも続いていきますように。

七小地域見守り会

参加したい方はお問合せください。

国立第七小学校地域 通学路
7時45分ごろから8時10分ごろ(可能な範囲で)
この記事に関してのお問合せ 国立市社会福祉協議会 042-575-3226

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